コロナ流行以前、豊明苑では月1回、お抹茶をいただく時間がありました。
設えられたお茶会の場所に利用者様を伴っていくと、キチンと着物を召されたお茶の先生が丁寧にあいさつしてくださり、キチンと茶釜から柄杓を使って白湯を茶碗に注いで、お茶を点ててくださいました。
お茶菓子も近所の和菓子屋さんに注文した季節感あふれる茶菓子で、いつも店主から自筆の季節のあいさつ文が添えられていました。
(写真は2017年 撮影)
そういう演出のなされた空間の中に入ると、お茶を飲まれる皆さんの背筋は伸び、ちょっと緊張しつつも、いつもとちがう特別な時間を過ごしている感漂う引き締まった表情になっていたように見えました。そして、茶菓子を召し上がると、みなさん、「美味しい」とニッコリとされるのでした。
お茶会をまたやりたい・・・
コロナ流行の最中、外部からのボランティアを受け入れることはできません。
先生を呼ぶのが難しいなら、内部でなんとかできる方法はないか・・・と考えたところ、ちょうどいい具合に茶道を習っている職員がいるではありませんか!!
以前と同じようにお茶会を開くことは無理でも、なんとか雰囲気を味わってもらえるところから始めようと、場所はデイルーム内で、できるだけご自分で点てて、飲んでいただく体験型のレクとして抹茶を楽しむ時間を不定期ながらも作ってきました。
苑所有の本格的な茶道具はまた別の機会におでましいただくとして・・・
今回は茶道の先生である職員のおばあさまからご提供頂いたお茶碗を使いました。
お茶菓子は夏らしいマスカットと巨峰のゼリーです。
利用者様の中には、お茶を習っていた、さらには教えていたという方もおられ、
「お茶を点てますよ」というと、
「私、昔、習っていたのよ、点ててあげようか」と
やる気を見せてくれたりします。
花嫁修業で習ったという奥様方。
思うように手が動かない人も少しお手伝いをすれば点てることができました。
男性の利用者様が慣れた手つきを見せるので聞いてみると「昔、やっていた」と、意外な一面が覗かれました。
皆さん、きりりとしています。
そして、この笑顔。
楽しんでいただけてなによりです。
次回をお楽しみに!!